ふゆのはいまメモ

シューティングゲームをやったり、作ったり。

ネタバレ感想 パシフィック・リム アップライジング

娯楽作としては及第点かなと思った本作ですが、色々と疑問が湧いてくるのも事実。後出しじゃんけんであーだこーだ言っても仕方ないと思いつつ、『こうだったら良かったのに』をメモってみる。

※以下ネタバレあり。

 その1 主人公ジェイクのやさぐれOPは必要だったか?

・優秀な父との比較でやさぐれる、というのは分かる。でもアマーラ(ヒロイン)と出会わせるためだけに放浪させる事に演出的メリットはあったのか?

ここが割と若い新世代パイロットとの関係性が上手くなかった点に繋がるのかなと思うんだけど放浪から戻ったジェイクが普通に出来る人になってるのが問題。

だらしない格好だけど教官役をこなしつつ、結局パイロットもうまくこなしてしまっている。導入で自堕落な生活描写にあれだけ尺を取っても、結局は『全部持ってる人がふてくされている』だけとも取れてしまってキャラ描写としてはどうかなと思うわけだ。

 

その2 若手が印象に残らない

鳴り物入りで登場する新世代パイロットたち。俳優の揃え方も個性重視で一見いい感じなんだけど、実際にはあまり印象に残らない。

一応、喧嘩からの和解や、仲間の死、師弟関係のようなお約束をマジメに入れているんだけど、有効に機能しているかというとどうだろう?

今回のバトルシーンは4つ。1つ目がシドニー、2つ目がシベリア、3つめがシャッタードーム襲撃。そして4つ目が東京だ。

個人的には、1と2でジェイクがあっさりジプシーに乗ってしまうのが問題なんだと思っている。ここの部分が新世代の葛藤と活躍に割かれていれば3で逆転劇に繋げられるし、4で仲間が死ぬ場面もずっと哀しくなったはずだ。

例えばだけど、優秀な父との比較に悩み、パイロットとしての道をあきらめ、自堕落な教官・司令官として現場に立つジェイクが新世代パイロットとの関係で変わっていく…みたいな流れで4に至ってついにパイロット復帰する…みたいなタメがあった方が萌えたんじゃね?という事。

 

整理すると…。

1のシドニーでマコが死ぬのはタイミング的にはジャストなので、そのまま。

 

1 ジェイクは教官・司令官としてシドニーの現場に立つ。若手の管理に失敗し、功を焦る三機のイエーガーは連携をとれない。謎の黒いイエーガーに翻弄され、マコは死ぬ。

2 マコのもたらした情報でシベリアに向かう一行。マコの死を乗り越え、ジェイクは司令官として若手を使いこなし、黒いイエーガーに勝つ。

3 無人機の暴走で多大な被害が出る。若手チームにも犠牲が出る。戦力は大きく失われ、ジェイクはついにパイロットとして復帰を決める

4 若手チームの奮戦むなしく、カイジュウの猛攻を止めることが出来ない。満身創痍のチームを再編成し、カイジュウと最終決戦に望む

 

…みたいな感じですかね。スクラッパーが再登場するのが良いのか悪いのか、ジェイクとアマーラのコンビは機能していたか?とか、ある要素を動かすと有機的に他の要素の意味が変わっていきますから、そんな単純に話は転がらないんですけどね。

以上、妄想でした。特に落ちはないよ。