Laydock WIP14
さて、モデリングメソッドについての話も大詰め。今回はジェネレータパーツを分割してパネルラインを生成してみます。
ジェネレータ本体をバラバラにする前に、最初のほうで描いたスケッチにあるインテーク状のパーツを作って、それを元にパネル分解の手順を解説しましょう。
下面に付いたインテークみたいなパーツを作ります。ジェネレータ下面のポリゴンを元に派生していきます。
派生したパーツを面取りしたり整形したものにシェルで厚みを付け、これを加工していきます。
レンダリング&色分けするとこんな感じ。これにさらにパネル分割していきます。
という訳で、色々と加工してそれっぽくしていきましょう。
まずは前縁部を切り離して別パーツ化します。サブディバイドに備えて、切り離し部分のエッジを面取りして三本のエッジにしておきます。
赤い選択部分が切り離しの対象です。これをデタッチして加工します。
切り離しで空いた穴をブリッジなどを使って埋めていきましょう。これはバラした形状によってケースバイケースです。なるべく4角形で綺麗にまとめます。
これをサブディバイドすると、こんな感じでパネルラインが現れます。ラインの細さはポリゴンの割り方で変わってくるので、工夫するとスジボリの幅が変わっているようなニュアンスを表現することも十分可能です。
さらにパーツを分割しましょう。
エッジを足して、面取り。
赤い選択部分を切り離して別パーツ化します。これも断面を加工したりしてきちんと後処理します。基本的にはパーツ分けのプロセスはこの繰り返しです。
後部に四角い分割ラインが出来ました。
作りこみの際は他のパーツとの関連性を見ながら進めると後で浮いた感じになって『ガーン!』ってなりにくいので、ちょくちょく確認することをお勧めします(笑)
では、インテークパーツでやったみたいにジェネレータ本体部分を分割していきます。
エッジの流れを見るとわかるんですが、一箇所にディテールを入れるとそれの形状をキープするための追加エッジが増えていきます。4角ポリゴンを維持するために、エッジの追加はディテールから遠い部分まで派生しちゃうんですね。
そんなこんなで形状が充分複雑化しているのが分かるかと思います。僕はこういう出来ちゃった形状をどうにか利用してそれっぽい形を作っていくのが好きです。
基本的にはここにあるエッジをパネルの分割線に見立ててポリゴンをデタッチ>厚み付け>加工…というのを繰り返してパーツをどんどん分割していきます。
ただ、このモデルのようにまっすぐなパネルラインばかりでは単調でつまらないので、分割する前にエッジを調整して『カッコイイ分割』を意識して加工しておくとその後の展開が楽になります。
パネルラインを斜めにしたい時は前回書いたようにFFDを使うと楽チンです。(max限定)
単調にならないことを意識しながら、ポリゴンをパーツ分けして加工を進めて行きましょう。
ポイントは切り離してしまえば外形線さえ保てば中にあるエッジは削除しても問題なくなるということです。切り離した後は余計なエッジを探して削除してしまうと良いでしょう。スッキリしたパーツなら追加のディテール加工も楽になります。
作業内容はかなり地味ですが、コツコツやっていけばこんな感じになります。
バラバラにする際に単にパネルにするのではなく、ブロック状のパーツにして厚みに変化をつけたり、開口部になるように凹みにしたりと変化を付けるとパッと見た時に変化が感じられてより『いい感じ』になるように思います。
このモデルにはまだ細かいディテールが付いていないので、次回細かいディテーリングについてアレコレやってみようと思います。
この手法でやると最初は引いちゃうくらいオブジェクトの数が増えます。ただ、ZBrushのモデリングの話でよく出て来る『サブツールが凄く増える』という話と同じ事なので、今どきのモデリングはパーツが増えるんだなぁ、位に思って慣れちゃいましょう。